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ぼつこせいげーみんぐ

ねずみです。


このゲームのパブリッシャーはDarktideにも関わっているLevel Infinite、まあつまるところTencentです。これが原因で色々と言われているようではありますが、僕はゲームに政治的なものを持ち込みたくないのでそういう部分は抜きにして感想を書きます。肝心なのはゲームプレイが面白いかどうかなので。

以下はSteamに投稿した文章とほぼ同一ですが、少し書き加えました。

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最初は「面白い」と感じた部分があったので好評の方にレビューを投稿していたが、プレイする内に、ライブサービス型のゲームとしては致命的なほどに根本の部分で底の浅さと粗が見えてしまったので不評に入れる。

1. ゲームプレイに幅が無いPvE

個性に乏しいプレイヤーキャラクター

プレイヤーキャラクターは6人しか居ないのだが、その内5人はどれを選んでも大差ない状態となっている。こういうゲームのキャラクターというのは得意とする役割や分野などが存在していて(ダメージ、クラウドコントロール、サポート、ソロなど)、それを活かして戦うというのが基本的だと思うが、SYNCEDではその個性の部分が非常に薄く、医者ただ1人を除いて状況に影響を与えられるほどの能力を持っていない。医者は味方を安全かつ確実に蘇生可能なドローンを使用できる上に、味方を自分で蘇生する場合は他キャラクターよりも短い時間で蘇生が可能なために高難易度では非常に無難で安定する。しかし、他5人はその医者と比べてスキル・パークの効果が貧弱で、わざわざそれらを選択するメリットがあまりにも小さい。高難易度ミッションでは敵のダメージが非常に高く、攻撃を避け切れずに被弾してダウンするというのがよくあるが、そこで全員が医者を選んでいれば誰が倒れてもお互いに安全に蘇生ができるため、全滅=ミッション失敗の可能性をかなり下げることができる。中には1日に挑戦可能な回数が制限されているミッションもあるため、失敗は避けたい。そうすると必然的に医者を選択することになる。もし複数プレイヤーが同じキャラクターを選択できないようになっても、一人が必ず医者を選択するのは変わらないだろう。

数の少ないコンパニオン

コンパニオンも4種しか居ないが、プレイヤーキャラクターに比べればまだそれぞれの強みがハッキリしている。高難易度ではシールドを展開することができる「ガーディアン」の選択が無難。ガーディアンが腕に宿っている時のパッシブ効果は、エイム・ADS時に前方に小さなシールドを展開し敵の遠距離攻撃を受け止めてくれるというもの。「Apex Legendsのジブラルタルが持っているガンシールド」と言うと分かりやすいだろうか。ガーディアン本体を召喚すると姿を現してもう少し大きなシールドを展開してくれる。安全に戦うのであれば医者+ガーディアンという組み合わせがとても強力で、実際、エリートランのトップ20の半数以上が医者を使用しており、トップ3を見てもガーディアンの使用率が高い。

地味で貧弱なスキルとパーク

一部のキャラクターの使用率が高いというだけならまだ「バランスが取れていない、調整を頑張ってほしい」だけで済むが、わざわざ「幅が無い」と言った理由は、このゲームでは結局どのキャラを選んでもやることが終始「固い敵の弱点を狙って撃ち続けるだけ」しかないからだ。似たようなゲームは他にもあるが、他のゲームは大抵の場合キャラクターごとに複数のアビリティを用意したり、豊富な種類の敵でそれぞれ変わった体験を用意して楽しめるようにしているものだ。SYNCEDの場合はその部分が非常に弱く、どのキャラクターを選ぼうがどのコンパニオンを選ぼうがどの敵と戦おうが本当に大差ない。スキルは非常に地味で貧弱で面白くもないくせにやたらとクールダウンの長いものが1つだけしかなく、パークもあっても無くても変わらないような効果の物が2つだけしかない。敵に追い込まれた時にスキルを発動させて窮地を脱するとか、Ultを使用して状況をひっくり返す、とかそういうこともできない。そもそもUltが無いので「ちょっときついな」という状況は少しずつ押し返すかジリ貧で負けるかしかない。これがもし、「キャラクターごとのパークがコンパニオンに合わせて変化する」とか、「キャラクターとコンパニオンの組み合わせの数だけ個性的で派手で強力なスキルがある」とか、そういうものがあったらまだキャラクター選択にも幅があったかもしれない。だが医者以外のキャラクターはどれを選択しても大きな差が生じず、キャラクターに合ったビルドを作ろうと思ってもたった4種類しかセットできないMODではビルドの個性とかそういうものも殆ど無く、ミッションに持ち込めるメイン武器も1本だけなため道中で何か拾わない限りはずっと同じ銃を撃ち続けるしか無く、全体的に非常に地味。念の為に言うが、これは「固い敵を撃ち続けることが主なゲームプレイ」というのが問題なのではなく、「固い敵を撃ち続ける以外にできることが無い」ことが問題という話。

2. 意味のないビルドシステムと浅いローグライト

ローグライトのシステムは最初は面白いように感じられたが、ランダムに得られるMODの中でも強力なものとそうでないものの違いに気付き始めると「無駄にランダムで難易度を上下されている」という感覚になってしまった。もちろんローグライトはそこが面白い所ではあるのだが、このゲームに限って言えば、強くなってもプレイフィールは大して変わらず、強力なMODは「敵1体を攻撃するとついでに周りの敵にもダメージが入ったりする」というようなものが殆どであり、キャラクターごとのシナジーなどもほぼ無いため奥深さが感じられない。毎回全てが完全にランダムというわけではないので「毎回何か新しい発見がある」ということもなく、現状では先ほど言った通りキャラクターのビルドというのもできることが大してないため、全体的に中途半端でやはり「ゲームプレイに幅が無い」という感想になってしまう。

3. 魅力が無いキャラクター達

キャラクターのデザインに一切の魅力を感じない。強さというゲームシステム的な面でもそうだが、外見や背景という面などでもあまり惹かれなかった。格好良いキャラクターや可愛いキャラクターを自キャラとして操作するのは、直接的な面白さにはならないかもしれないがモチベーションには大きく関わるので、もっと頑張ってほしかった。特にTPSはFPSと違って自キャラがほぼ常に画面に写っているため、自分の好きなように外見を変えられるスキンなども重要だ。スキンは課金要素として販売されているが、これがまた揃いも揃ってダサく安っぽい色違いばかりなため「これ欲しいな、買っちゃおっかな」と思ったことが一度たりともなかった。
印象に残らないキャラクター達が、皆共通のバックパックみたいなダサい装置を背負い、現実・現代で見たことあるようなオリジナリティの欠片もない(舞台は近未来でありながらもそれを一切活かすことのない)銃を持ち、陳腐なセリフを言いながら戦っている。ゲーム自体が面白ければそういう部分に目を瞑ることもできただろうか。

4. 最後に

やりようによってはもっと面白くなっただろうと思うし、自分も最初の数時間は割と楽しめていたのだが、ライブサービス型ゲームとしては致命的な「底の浅さ」が数十時間のプレイだけで見えてしまい、全体の粗も気になり始めてしまった所でPvPで2マッチ連続でチートに遭遇してしまい、完全にやる気が無くなった。最初は好印象を抱いていたが、プレイすればするほど良くない部分が目に入り、親指を上に向けていたレビューを消して書き直すほどになってしまった。

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Steamのレビューに書こうかと思ってやめたThe First Descendantの話

ゲームのレビューに他のゲームの話をあまり書きたくなかったのでSteamでは省いたのですが、正直な事を言うと、SYNCEDサービス開始の10日ほど後にオープンベータが行われたNEXONのThe First Descendantの方が何十倍も将来性を感じられました。TFDは"Warframe + Destiny"という感じのゲームなのですが、ゲームプレイ自体がSYNCEDと比べ物にならないほど面白く操作も快適で、キャラクターもSYNCEDより数が多いだけでなく、可愛い/格好良い上にそれぞれが個性的(ここでの個性的というのはキャラクター毎にそれぞれのスキルを活かした戦い方ができるという意味です)。マジで雲泥の差です。やっぱりキャラクターの外見って重要ですね。
まさかNEXONのゲームに「サービス開始楽しみだな~まだかな~(^o^)」と期待して待つ日がまた訪れるとは思っていませんでした。CSO以来です。こんなこと言ってると実際にサービスが開始したときに粗を見つけて落胆してしまう可能性があるのでこれ以上はやめておきます。このご時世、新しいゲームを待つときはハードルを可能な限り下げないとやってられないですからね。

ねずみでした。

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