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地罰上らば竜の降る / Rise of Rebellion 戦闘体験版感想

ねずみです。
これの体験版を遊んだ感想です。
 1000万円がどうとかクラウドファンディングがどうとか開発者は元フロム社員とか何とか話は聞きますが、ゲームの内容には一切関係のない事なのでそのあたりには触れません。良くも悪くも知名度向上のための話題作りなんだろうな~という認識をしています。
 「世界一面白いアクションRPG」を目指すという点も個人的には期待していないんですけど(このゲームに限った話ではなく、昨今は発売前のゲームに期待してもがっかりするだけなのでなるべく期待しないようにしているだけです)、TwitterやYouTubeで頻繁に目にしていたので「実際に遊ばないことには何も言えないから体験版くらい遊んでみるか~」と思いプレイしました。まだ開発中なゲームの「戦闘体験版」ということで、他の部分はさておきこのゲームの戦闘の雰囲気を感じ取れれば良いかなという気持ちでした。とはいえ戦闘以外にも気になった部分はあるので軽く触れたりします。
 ちなみに体験版クリアにかかった時間は、操作確認や設定確認などを除くと40分弱ほどでした。

 体験版での印象を端的に述べると「UI/HUDが無いためすっきりしているように見えるが、良くも悪くもギミックが詰め込まれており、それでいて駆け引きは薄くプレイフィールは大味」です。

煩雑な印象のゲームシステム
 戦闘のシステムはUbisoftのFor Honorに若干近い3D格闘ゲームとでも言えば伝わるでしょうか。現状はそれに加えて思いついたシステムをとりあえず全部乗せてみたような、煩雑で大味なプレイフィールだという印象を受けました。というのも、1v1の戦闘しかないこの体験版の戦闘が全てゴリ押しで簡単に解決してしまったからです。
 近接攻撃だけでも斧・剣・刀の三種に強・弱・流転・鎖状・メイがある上それぞれに攻撃の方向があり、武器投げや弓矢という遠隔攻撃もあり攻撃の数はやたらと豊富です。ごちゃごちゃしていて、いまいち何をしたい・させたいのかがハッキリとしていません。できることが多いというのは戦闘で様々な工夫や駆け引きが可能ということなので悪いことではないでしょうが、当然ながらプレイヤーも覚えることが多くなるので一長一短です。択の多さが必ずしも面白さになるわけではありません。
 上でも述べましたが、択が色々ある割には「攻撃を連続で出し続け、敵を壁際に押し込んで、あとは刺さるまで殴り続ける」という単純な力業で簡単に戦闘が終わってしまったので、敵AIの改善もしくは攻撃のバランス調整は必要だろうなと思いました。
 また、一度ハマった敵が抜け出すことも少なかったですが、こちらがAIに殴られ続けている時もいまいち抜け出し方が分かりませんでした。パリィを出そうとするも出ず、回避もできず、発動の早い技を試してみるも間に合わず。いわゆるゴリ押しに対するカウンターがいまいちできなかったのですが、同じような状況で時々敵がパリィをしてきたのでタイミングがシビアなだけかもしれません。検証する気は無いので「かもしれない」程度ですが。
 
敵の地罰で敵が自滅し、自分はそれに巻き込まれた上にスタック
(一切動けないのでこのあとリスタートした)

あまり効果の感じられないメイ、その割には強力な地罰
 メイと言うのを使用してちょっと強力な技が出せるのですが、なんというかあまり効果が感じられませんでした。連続で出しすぎると上の画像のように地罰というのが生えてきてダメージを受けて空中に打ち上げられるのですが、このメイというのは別にド派手な超必殺技とかUltみたいな強力な一撃が出るわけではなく、ガード貫通とかでもなく、「こんなんわざわざ地面から氷を生やして罰を与えるほどの技か?」と思ってしまいました。とは言え自分も全部を試したわけではないので、もしかしたら自分が出してなかった技に派手で強力なものがあって、たまたま自分が見てないだけという可能性はあります。
 40分弱の間に敵が地罰で自滅したのを三回見たのも悪印象でした。自分はガードしてただけで地罰が発動、敵が勝手に自滅して戦闘終了。一回目は「そういうこともあるのか」とあまり気にも留めませんでしたが、二回目はこちらを巻き込んで相打ち、三回目は上の画像の通りこちらをスタックさせました。
 あと地罰発動までどれくらいかの判別方法がエフェクトしかない理由もあまり理解できませんでした。UIを削っている割には「UI表示があって然るべきではないのか」と感じてしまうようなゲームシステムなので、ちょっとなんだかな~と思うポイントです。これは地罰に限った話ではなく、体力とスタミナもガード中にしか表示されないため確認しづらいです。そこまでしてUIを削ったゲームにしたいのであれば、いっそのこと体力とスタミナもエフェクトなどによる表現で示して、ゲージなどのハッキリとしたUIを完全に排してしまった方が一貫性があって良いのでは、と感じてしまいました。

この部分は鳥肌が立つほどに心の底からダサいと思った

雰囲気の合わないBGM
 これは好みの問題かもしれませんが、西洋の中世風ファンタジーのビジュアルにこの戦闘BGMは単純に合っていないように思えます。BGMから受けた印象はCode VeinやGod Eater、NieR: AutomataなどのSFです。まだ明かしていないだけで最終的にはそういうSFファンタジーな世界になる可能性もあるでしょうけど、少なくともこの体験版にこの曲は絶望的にマッチしていません。UIを削りに削っているあたりから「おそらくこのゲームはシリアスで没入感のあるアクションゲームを目指しているのだな」と思っていたのですが、その割にはBGMが俗っぽいというか、やかましいというか。更に言うと、これが通常の戦闘BGMであるとしたらあまりにも壮大すぎると感じました。全ての敵がボス戦になるボスラッシュのようなゲームであれば敵一体一体に重みと存在感を出すために壮大なBGMも必要だと思いますが、もしこれが通常の戦闘BGMであるなら流石に過剰な気がします。
 強調しておきますが、曲自体の質が悪いとかそういうわけではありません。問題はそこではなく、ただ単に「ビジュアルとサウンドの方向性が合ってなくない?」という所です。正直に言うと「どういう感性をしてたら中世ファンタジーのBGMにラップを入れようという考えに至るんだ?」とか思いましたが、こればっかりは作曲した方の問題というかそもそも開発者と作曲者の間の摺り合わせが上手くいってないだけとかそういう可能性もあるし、講談社との繋がりで作ってもらってる手前あんまり強く言えないからとりあえずOKって言っちゃったのかなとか勘繰ってしまったりもしますがまあ何とかもうちょっと頑張ってほしいなと思いました。

ふーん

その他
 まだ開発段階としてはPre-alphaくらいでしょうし、演出なんかはゲーム自体の根幹を作り上げた後にでもブラッシュアップされるだろうと思うのであまり気にはしていませんが、メッセージの文体など端々から安っぽさというかB級っぽさを感じてしまいました。
 これから先どのようにでも変化していくとは思いますが、現状では「あんまり面白くないかな…」というのが正直な感想です。
 あんまり良くないと思う部分についてばかり言及してしまいましたが、煮詰めれば充分に「(世界一かはともかくとして、とりあえずは)面白い」と言えるゲームになりそうな素地はありますし、「『世界一面白いアクションRPG』を目指す」というのも嫌いじゃないですし(目標は高い方が良いので)、面白いアクションゲームは好きなのでこれからも頑張って目標を実現してほしいなあと思うゲームでした。

ねずみでした。

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